でも…お風呂に入っている君博さん、ちょっと素敵かも知れない。

かっこよさが増したって言うのかな?

濡れた髪とか薄ピンク色に火照った肌とか、全てが全てかっこいいかも…。

男の入浴中なんて興味がないのに、何か見とれちゃう…。

「あ、あの…」

そう言った君博さんに、わたしはハッと我に返った。

「いつまで見ているの?」

そう言われた瞬間、わたしの口から心臓が飛び出しそうになった。

いや、飛び出したら怖いけど…。

「――わ、わ、わ…ごめんなさーいっ!」

わたしは逃げるようにバスルームに駆け込んだ。

もうヤだ…。

叫ぶし、慌てるし、パニクるし、ドキドキするし…何してるのよ、わたし。

これからの生活、大丈夫なのかな…?