星泥棒は罪にならない



「誕生日プレゼント」


彼は私の耳元でそう囁き抱き合ったまま、ゆらゆらと揺りかごのように揺らしだした。

私はうっとりと瞳を閉じながら

「何かくれるの?」

と我ながら図々しい質問をした。

彼はゆらゆら揺れるだけ揺れて、焦らすだけ焦らして、

やっと


「上向いて」


と、一言だけ言った。




―キス


直感的にそう思った。