「寒くない」 優しい彼の問いかけに対して、私はぶっきらぼうな言い方で首を横に振る。 こんな時、好かれる女の子は「さむい」と言って彼の腕にしがみつくのだろうけど、 私にはそんな真似は到底できないことだった。 彼の期待していた答えもきっとそんな甘い時間だったのだろうけど、 だから、優しい言葉とチャンスを私に与えてくれたのだろうけど、あまのじゃくな私はいつもそんな優しさとチャンスを見逃してる。 無視してる。 そんな気がする。