星泥棒は罪にならない


思うように言葉にならなくて、私は彼を強く、強く抱きしめることしかできない。

彼は先程と同じように、私を抱いたまま、ゆらゆら揺らしだし、私をあやす。

わんわん泣いている為か、なんだか揺らされると、頭がフラフラする。
チラリと覗いた星空は凄い勢いで回って見えた。


あぁ、なんだか私たち宇宙の底にいる気分。



「ずーっと、ずーっと!一緒にいよーなー!」


この人は何でこんなに私を泣かすのだろうと、少し恨めしく思いながら、更に背中にまわした腕の力を、抱きしめる力を強くした。