声に導かれたどり着いた先は
屋敷の地下にある地下牢の前だった


小さな頃からここへ立ち入る事を
堅く禁じられていた


檻の入り口には何枚もの
封印の札が張られている


「いったい此処は・・」


空気が淀んでいて薄気味悪い

その時、闇の中から声が聞こえた


「よくきたな吉祥天
(きっしょうてん)
 

 我はこの時を
 ずっと待っていた

 千年のも間
 我を封印した者へ
 復讐する日を」

「誰?
 ―――私はそんな名前
 じゃないわ」


姿、形は見えないのに
ずっと感じている

冷たい視線
 

「我はそなたの先祖

 八部衆の一人

 北方を守護する鬼神

 夜叉ぞ」

鬼神・・・

祖父に聞いた事がある
私たち一族の始まりは

『鬼』だったと