あれから数分。 緋乃は俺が買ったジュースを両手で握ったまま、無言で歩いている。 無理もないよな…。あんな事があった訳だし。 緋乃は感情をあまり面に出さないけど、本当に怖かったんだと思う。 なのに…気のきいた言葉も言えない俺…。 ただただ静かに隣りを歩く緋乃に、どぅ声を掛けたらいいのかわからない俺は、子供なんだと痛感した。 「あのさ。ちょっと遠回りでもしてかない?探検とか♪」 耐えきれなくなった俺は、この沈黙を打破しよぅと何も考えず口走った。