「忘れ物あんじゃね?」 そぅ睨むと、男はチッと財布を地面に叩きつけ、ダラダラと去って行った。 「あいつら聖中の奴だよ。何度か金まきあげてんの見た。」 そぅ言うと財布を拾い、準ちゃんに手渡した。 準ちゃんはずっと俯いていたけど、私を一瞬見ると走って行ってしまった。 …準ちゃんも本当は辛い状況なのかも…。 「なんだ?アイツ。感じわりぃ。」 大輔はポリポリと頭を掻き、クルッと私に振り返ると、 「あ。俺にときめいちゃった?」 と、ニッと笑って見せた。