現に、緋乃が指を切った事件から、何故か良く浅利と話す姿を見るようになった。
昼休みだったり、部活の帰りだったり。
顔を真っ赤にして笑っている緋乃と、優しく笑う浅利先生。
そんな二人を見る度に、胸が締め付けられ、俺は何やってんだと問いかけてしまう。
はっきり言って、浅利が緋乃をどう思っているかはわからない。
でも、もうすぐ夏休みという素晴らしいイベントがやってくる!
緋乃も部活で会うにしても数回だろうし、俺にとっては大チャンスだ。
ここで一気に緋乃を振り向かせるしかねーッ!!
俺はこの夏に全てを賭けていた。
バスケの試合も、緋乃への気持ちも……全て。