恋愛スキル



――放課後。心配する大輔を振り切り、部活に出る私。


浅利先生が顧問だから、欠席なんて考えられない。


美術室に入るなり、浅利先生は私の顔を見てため息をついた。


「松浦さん~ど~して君がここにいるのかなぁ~?」

浅利先生は、勝手に作業に取り組む私を覗き込む。


だって……浅利先生と少しでも一緒にいたいんだもん!



……だなんて言えやしない。


「今日で完成させたいんです」


どうしても帰されたくない私は、思いがけないパワーを発揮!

普段は緊張して何も話せないのに……。

冷静に返す事が出来た。


私はまた作業を開始すると、浅利先生は私の両手を捕まえた。


私はビックリして、浅利先生を見るしかなかった。