自転車は風を切り、さっき私を追い抜いた人達をどんどん追い越して行く。 清々しい風を浴びながら、校門までの道のりを、私は夢の中にいるようだった。 ボーっとしている私は、先に座っていた大輔にも気付かない程で…… 「何かあった?」 と、大輔が頬杖をつきながら顔を覗き込む。 私がブンブンと顔を振ると、大輔はふーんと、私から目を逸らした。 「そー言えば!今日から担任代わるんだって!」 朋美が得意げに話している。