恋愛スキル



「間一髪~!てか、昨日より悪化してない?」


彼は私の腫れた足に目を落とすと、自転車の後ろをペチペチと叩いた。


「どーぞ、特等席」


またも戸惑う私。

彼は、強引に私を後ろに乗せると、ゆっくりと走り出した。



「あの……でも……」


「イイんだって。俺も学校に用があるから。遠慮は無し」


彼はチラッと振り返り笑う。


私は、またこの人に助けられてるんだ。


……昨日と同じ香りに、同じ背中。