ガラ……
静かに開かれたドア。
高枝が急に立ち止まると、入り口を塞いだ。
何なんだよ。
俺は微動だにせず固まっている高枝の間から、サッと中を伺った。
「……!!
マジかよ……」
俺の目に飛び込んできたのは、春瀬とアイツの紛れもないキスシーンで……。
その瞬間、俺はフツフツと怒りが沸き起こり、拳を握りしめた。
「どういう事なんだよ!?」
高枝を肩で押しのけ、ズカズカと足を踏み入れる。
「長澤……!?」
驚いたように一斉に俺に目を向けると、浅利は顔に手を押し当て、頭を垂れた。
春瀬は俺……と言うよりも、後ろの高枝を気にしているようで、視線をそっと下に落とした。
もう、言い逃れ出来ないよな。



![月の雫[七福神大戦録]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/201437-thumb.jpg?t=20250409131947)