恋愛スキル



気になって布団に手を伸ばすと、

「先生が心配になったの。風邪ひいちゃうもん」


布団の中で、もごもごと彼女の声が聞こえた。


ふふ、可愛いなぁ♪


ガバッ


布団から松浦の顔を出すと、彼女のおでこに、コツンと俺の額を合わせ、目を閉じる。


「大丈夫。俺はそんなに弱くない。

松浦こそ、早く元気になって戻って来いよ?」


「うん……先生、髪冷たい」


目を開けると、松浦が俺の濡れた髪に、優しく触れる。


俺も彼女の髪に指を通すと、安心するかのように瞳を閉じる。



「先生……何か甘い匂いがする……」


「え……」





―――あんな事になるなら、


この時に全てを打ち明けていれば良かったのかもしれない。



でも、この時の俺は、


彼女に余計な心配をかけたくはなくて、




話す事が出来なかったんだ。