先生は不意に腕時計に目を落とすと、「やべ。もうこんな時間か」と、ゆっくりと腰を上げた。
シンデレラの様に、魔法が消える時間が訪れる。
私は思わず俯いてしまった。
「俺送ってくから、松浦道案内――」
「私…帰りたくない…」
「松浦?…何言って…」
「帰りたくないの。先生…私…息が詰まりそうで。私の居場所なんて…どこにもないんだもん…」
「松浦……」
私…今先生を凄く困らせてる…。
先生の顔が見れず、私はただただ俯いていた。
どうしようもなく涙が溢れ出し、地面にポタポタと落ちていく。
私…何やってるんだろう…
先生を困らせて、ワガママ言って…
最低だ…。



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