彼は
飲み残している私を置いて会計へ向かう。

“もっとゆっくり”

していたかった。

彼は帰り道を急いでいる。
私に気を使いながら
沢山の記憶を残してくれながら。

“帰りたくないのになぁ”
私は渋々席をたつと
彼の後を追って歩いた。