「ねぇ由依子ちゃんもくるでしょ?」



「え?」


「えー、話聞いててよー由依子ぉ」


「あはは、ごめんって。それで?何?」



あの保健医との事があってから、私が保健室に行くことはない。


保健室の前も避けて


廊下とかでもなるべくアイツと会わないようにしている。



アイツに、
涙を見せてしまったから。。



しかも、あれからというものの、私はぼうっとすることが多くなっていた。



「夏休みに私達3人で海行こうって話。もちろん由依子行くでしょ?」


この2人となら行きたいな。


人間関係で多分一番楽な人たち。


私を"由依子ちゃん"と呼ぶのは永井早紀ちゃん。

小動物みたいで可愛い子。


もうひとりの子は坂本涼子ちゃん。スポーツマンでカッコイイ人。


2人と出会ったのはこの高校で。


2人が声をかけてくれて、それ以来"友達"。


「海、行きたいけどなぁ..」


あ、でも。


「バイト?」


「いや、水着持ってない」


「ぶふっ!」


「由依子ちゃん可愛い~」


涼子ちゃんは吹き出して
私の背中をぺしぺし叩いた。


「痛い痛い~」


みんなでじゃれあって。


みんな笑って。




でも私はやっぱり造り笑顔なんだ。。


身体はここにあるけれど


心は何処か遠いところに