「……何故、そう思ったのじゃ?」 表情を変える事なく、賢雄が問いかけた。 村医者は、少し目を伏せながら応えた。 「三日前、理緒から旅人達の話を聞いた後…村長は一人でずっと考え込んでいたように見えました……」 一度言うのを止め、村医者が続ける。 「……父から聞いてました。村長がそんな態度をとる時は、いつも本当の事を言うのを躊躇っている時だ…と」 賢雄が、何かを諦めたように小さく苦笑いを漏らした。 「……あやつめ、そんな事を」