十夜の姿を見た瞬間、嘉禄達の表情が変わった。
斎雲と舞雲は口元しか見えないが、驚きの色が伺える。
一瞬だが、擂雲の攻撃の手も緩んだ。
その隙をつき、日向が槍を突き入れるが擂雲は体を捻り、かわす。
そして嘉禄は―…
「…は、ははは…。くはははははっ!!」
壊れたように、声をあげ笑い始めた。
嘉禄が笑いながら髪を掻き上げた時、瞳が見えた。
擂雲と同じ金色の瞳。
しかし、擂雲よりもその色が濃く…獣のそれを感じさせる。
理緒はその時、気づいた。
今まで自分が感じていたのは…殺気だったと。
声を出して笑っている嘉禄の瞳は、笑っていなかった。
未だに理緒が感じる寒気も、最初のとは比べものにならない程…強くなっていた。


