神威異伝





擂雲が眉をしかめる。


「なんだよー、斎雲(さいうん)」
「…顔を見せる必要はない筈、なぜそんな事を」



斎雲と呼ばれた旅人が問いかけると、擂雲が口の端を上げた。


「戦うのに邪魔だからに決まってんだろー?」



そう言って、マントの中から何かを取り出した。


その何かは、槍の刃の部分が斧のようになっている武器だった。



「擂雲殿!!」


斎雲が声を張るが、擂雲はそんなのお構い無しである。



「うるせーなぁ、斎雲。俺はな、あいつと殺りてぇんだよ」



擂雲に指をさされた日向は、肩をピクッと揺らした。


「そんなの…」
「良いだろう」



斎雲の言葉を遮り、一番最初に理緒に話しかけた旅人が口を挟んだ。



擂雲が再び口笛を吹く。



「流石、大将ー。分かってるなぁ」