日向と理緒の動きは迅速だった。
旅人の一人を日向が槍で突き、隣にいた旅人も巻き込みながら横に薙ぐ。
日向が二人の旅人を倒した間に、理緒も残りの二人の首に短刀を命中させる。
村に入り込んだ旅人が全て倒れ、崩れて消えた…。
しばしの間、沈黙が流れた…が、理緒の耳に微かに拍手が聞こえた。
理緒が音をした方を振り向くと、出入口に立つ旅人の…先程口笛を吹いた男が拍手をしていた。
「やるねぇ〜。まさか“影”を全部倒しちまうなんてよ」
そう楽しそうに呟いて、男が被っていたフードを…とった。
重力に逆らうように、逆だつ金色の髪。
髪の色と同じ色の、切長の鋭い瞳。
「擂雲(らいうん)殿」
金色の髪の旅人の側に居た旅人が、口を開いた。
擂雲と呼ばれた旅人より背は少し低いものの、長身である。


