神威異伝





理緒も、自分が震えてしまいそうなのを気力で押さえて叫ぶ。


「早く!!村長の所に行ってっ!!」
「……ぁ…は、はいっ」



体を起こし、男が走って行った。



倒れた旅人は…ピクリとも動かない。





………人間を、殺した。


獣とは違う、自分の同類を…殺した。




その事実が、理緒の精神をボロボロにする。



まだ五人、旅人が短剣を持ったまま…理緒の様子をうかがっている。


人間を殺したという事に耐えきれず理緒がふらりと、体を崩しかけた時…。






倒れていた旅人の体が、泥の様になり…着ていた衣服をそのまま残して、崩れて消えた。



その光景に、理緒が絶句する。



「……え…っ!!?」




その光景に出入口に立つ四人…そして短剣を持ったままの旅人達は、驚きもしなければ反応もしない。