神威異伝






(なんなの…?こいつら…っ!!)



…理緒は応戦しながらも、困惑を隠せずにいた。




―…少し前に突然襲って来た旅人の一人が、近くにいた理緒を狙わず市場に居た子供を狙おうとした。



村人の悲鳴が響き渡る。

狙われた子供は、恐怖の余り動けずにいた。



理緒が走る。



「危ない!!」



子供の元に駆け寄りながら、腰のベルトのポーチの中にある短刀を抜き、子供を狙った旅人の短剣を持つ腕に向かって投げた。



狙いは外れる事なく旅人の腕に短刀は命中し、旅人の動きが一瞬止まる。


その隙に理緒が子供を抱き抱え、旅人から離れる。


「みんな逃げて家の戸を閉めて!!後…誰か村長に、この事を伝えて来てっ!!」



理緒の声と共に、村人達が動きだした。




ある者は我が子を抱き抱え家へと走り…またある者は、他の村人の誘導を始める。