神威異伝




「それは出来ない。私は嘉禄様に貴様らの足止めをしろと…命を受けた。嘉禄様の命に、私は従う」


そう言って斎雲はフードをとった。

マントと同じ漆黒の髪は、右目を隠す様に一部だけ長く伸びている。

そして、冷徹な雰囲気を感じさせる瞳の色は…青。

青龍国の人間の中に、わずかにいると言われる瞳の色である。


「あんた、青龍国の人間なのか?」
「……さぁ、どうだろうな。私にはそんな事…どうでもいい」


日向の問いに、斎雲はそう曖昧に答えた。

斎雲は腰布に差している、長剣を抜きとった。

その長剣は、長身な斎雲の背丈程の長さである。


「斎雲ちゃんの言う通りだしぃ〜。さぁ、殺りましょうかぁ?」


舞雲もフードをとった。

真っ直ぐ腰まで伸びた髪の色は薄紅。

どこか妖艶さを醸し出す瞳の色は…灰色。

……そして、マントの中から左右の手に一つずつ扇を取り出した。

右の扇は白。

左の扇は黒。