──流石に父親である澪との別れの時には、涙ぐんでいた暁。
しかし、持ち前の明るさで少し時間がたつといつもの暁に戻っていた。
「ねぇ理緒ねーちゃん!理緒ねーちゃんって、日向にーちゃんと仲よしなんだねっ」
「うん。まぁ幼なじみだしね」
「“おさななじみ”ってなに?」
「小さい頃から一緒に育った人の事よ」
十夜と日向の後ろを歩く理緒と暁は、楽しそうに喋っていた。
日向が地図を見ながら呟く。
「いやー澪さんの教えてくれた通りに来て良かったよ。これなら、日が沈む前に白山を下れる」
「流石だよな。二百年も生きてたら、こんだけ詳しくなんのか」
日向の持つ地図を覗き込みながら十夜が言った。
地図には昨夜、澪が近道や小川のある場所などを書き込んでくれていたのだ。
……その地図によると、もうじきに白山を下れるらしい。
「ここを抜けたら村は近いんだろ?」
十夜が聞くと日向が頷いた。
「あぁ、少し歩くけど…今日中には着ける。もうすぐ山を抜けられるよ」
──日向の言葉通り、白山の出口はもう目の前だった。


