神威異伝





近くに置いていた漆梁とマントを掴み、十夜が言った。


「俺は日向探して来る!!理緒は此処で火の番しててくれ」
「え…っ、ちょ…十夜―…」
「すぐに戻って来るって!!」


十夜は理緒が止めるのも聞かず、火のついた木を持ち駆けて行った。

そして、すぐに十夜は森の中に消えて行った。



一人、荷物と火と共に取り残された理緒は火に視線を向けた。


「…………っ」


十夜と理緒が拾った木を燃やし、火がパチパチと音を起てている。

……その火を見ている理緒の様子が何処かおかしい事に、十夜も日向も気づく訳もなかった。