部屋がまだほの暗い事から、十夜は夜明けよりも随分早く起きた…と理解する事が出来た。 もう一度寝る気もしないので、十夜は布団から出て、枕元に置いていた漆梁を手に宿の外に出た。 夜明けよりも随分早い事から、村には人の姿が見えない。 軽く靄(もや)がかかる村の中を、十夜は走る事にした。 ……十夜が村を何周かする内に、少しずつ太陽が姿を見せ始めた。 服を湿らせた汗は十夜が寝ていた時のものなのか、走った事によるものか分からなくなっていた。