神威異伝





それは、冬の寒さが少し緩み始めた日の事。


早朝から理緒が山に狩りに行き、誤って短刀を崖に落としてしまった事がきっかけだった。




崖の下まで降りた理緒は、崖の側に倒れていた少年を見つけた。


その後、助けに来た村人と共に少年と理緒は村に戻った。




直ぐに少年は白月村の医者の所に運ばれ、治療を受けた。


医者の話によると、後少しでも来るのが遅かったら命は無かったかもしれないという事。




少年が目を覚ましたのは、理緒に見つけられてから十日たった日の事だった…。