あ…っと小さく呟き、日向は本来の目的を思い出した。 「そうそう…さっき宿の主人の話で出た山の名前、憶えてるか?」 「えっと……確か白山、だったんじゃない?」 日向の問いかけに、理緒は少し唸りながら応えた。 理緒の言葉に頷き、日向は自分の荷物の中から地図を取り出して広げる。 「今、俺達がいるのは白山村。……で四神街に行く為の最短の道のりが…」 日向が指差した道筋の中に… 「…つまり、白山を越えて行くのが最短なんだな?日向」 地図を黙って見ていた十夜が、ぽつりと呟いた。