十二月二十四日、クリスマスイブ

ささやかなパーティーが開かれた。食卓には七面鳥やケーキ、ワインなどが並んでいるが、全てお母さんが一人で作ったものだった。春香の体は確実に蝕まれていき、最近では一人で立ち上がることも困難になっていた。ベッドは全自動の介護用のそれに変わり、一階の客間で寝起きする様になっていた。そんな姿を見てきたからこそ、プレゼントと言われて渡された袋を開いた時は、驚いた。A四程の緑色の袋は、赤いリボンで封をされていた。丁寧にリボンを解き、中身を取り出すと、灰色のマフラーが出てきた。
「本当はセーターを作りたかったんだけど、時間が足りなくて」
少し照れながら、それ以上に悔しそうに、春香は必死に笑っていた。痩せ衰えた笑顔だけが、中々消えなかった。