「あっ、おはようたっくん」
ソファーに座り、くつろいでいた春香がこちらを振り向いた。向かいの席にはお父さんが座っていて、慌ててあいさつをした。
「おはようございます。すみませんこんな時間まで眠ってしまって」
寝坊をしてしまったこともあるが、それ以上に罪悪感を感じることがあった。
「休みなんだし、気にしなくていいんだよ」
あぁっ、情けない声しかでなかった。こいつはどうしてこうも普通に振舞えるのだ?まるで何もなかったかのように。