一瞬の沈黙が流れた。
「メールアドレスからでよければ」
最大の難関も突破した。この時点では最高の結果だ。心の中では祝福のファンファーレが鳴り響いていた。
赤外線通信などの便利な機能のなかった当時、お互いのアドレスを口頭で交換しあった。
「帰ったらメールするので、返事下さいね?」
はいっ、と元気よく答えてくれた彼女。
「あっ、まだ名前聞いてませんよね?俺はタクヤ」
「そういえばそうでしたね。私はハルカっていいます」
お互い名前も知らぬまま連絡先を交換していたことを笑い合っていると、また一歩彼女に近づけた気がした。
生憎僕は京王線で彼女はJR、改札を抜けていく背中を見送りつつ、小さくガッツポーズをした。
「メールアドレスからでよければ」
最大の難関も突破した。この時点では最高の結果だ。心の中では祝福のファンファーレが鳴り響いていた。
赤外線通信などの便利な機能のなかった当時、お互いのアドレスを口頭で交換しあった。
「帰ったらメールするので、返事下さいね?」
はいっ、と元気よく答えてくれた彼女。
「あっ、まだ名前聞いてませんよね?俺はタクヤ」
「そういえばそうでしたね。私はハルカっていいます」
お互い名前も知らぬまま連絡先を交換していたことを笑い合っていると、また一歩彼女に近づけた気がした。
生憎僕は京王線で彼女はJR、改札を抜けていく背中を見送りつつ、小さくガッツポーズをした。


