「料理ができるまでに一時間くらいかかるから、ゆっくりしてて」
スーパーの袋から食材を取り出しながら言った。
「じゃ、ビール飲んでていい?」
袋からビールを一本取り出し、ソファーに向かった。テレビをつけ、料理を始める貴美と、画面を交互に眺めながら待った。

「おまたせ」そう言って料理をテーブルに運んできた。メニューはビーフシチューとパン、それにサラダだった。それらを彩る食器は、どれも見覚えのある物ばかりで、懐かしさが更に募った。あまり煮込んでないからコクがまだないかも、そう貴美は言うが、その味は中々の物だった。モデルの様な美しさに、料理の腕も悪くない、世の中の男子誰もが羨むことだろう。