エレベーターで六階まであがり、部屋のドアを開けた。玄関を抜けた先の部屋は、懐かしい家具が並んでいた。部屋を入ってすぐ左にあるベッドは、収納が少ないからといい二人で買いに行った引出付きのベッドだ。右隅の窓際には、二人用のソファーが置かれていた。これは付き合い始めた頃から変わっていない。その前には、変わらずにガラスのテーブルがあり、正面にテレビラックが置かれていた。半年前に二人で考えた間取り通りに、今も全ての家具が並んでいた。貴美は本当に俺のことをずっと思っていてくれたのかもしれない。疑っていた訳ではないが、改めてそう実感した。


