翌日はお互いの電車の都合もあり、中華街の駅で直接待ち合わせをした。灼熱の八月を過ぎ、九月に入ったというのに、その暑さは怯むことを知らない。待ち合わせの十一時五分前に改札を抜けると、そこにはすでに貴美の姿があった。
「相変わらず、約束の五分前到着なのね?」
からかうように笑った貴美は、濃いブルーのノースリーブセーターに、白のパンツという格好だった。これから中華街をバックに写真撮影、と言っても誰も疑問に思わない程に、その空間だけが華やいでいた。
「お姫様をお待たせする訳にはいきませんので」
腰を四十五度に曲げ、執事のマネをしながら答えた。
「相変わらず、約束の五分前到着なのね?」
からかうように笑った貴美は、濃いブルーのノースリーブセーターに、白のパンツという格好だった。これから中華街をバックに写真撮影、と言っても誰も疑問に思わない程に、その空間だけが華やいでいた。
「お姫様をお待たせする訳にはいきませんので」
腰を四十五度に曲げ、執事のマネをしながら答えた。


