花火

女性の買い物は長い。彼女の買い物を待つのも長く感じるのに、今は更に長く感じた。彼女でもなければ知り合いでもない、一応面識はあるので赤の他人でもない。彼女やれっきとした知り合いであれば「遅い」などと毒つけるが、そんなことが言える立場ではない。
実際に経過した時間は三十分位だろう。女性にしては早い方だ。しかし足元にはフィルターだけになったタバコが二本、三本。携帯電話の充電を現す表示は、三本から二本に減っていた。そして彼女は現れた。