一六○センチもないだろう彼女の歩幅と、一七六センチある僕の歩幅、信号が青に変わると同時に追えば、彼女に追い着くことは可能だろう。幸いにも、彼女の向かった方向は確かめてあった。交差点を渡った正面の、ツタヤを右に曲がって行った。中々変わらない信号にイライラしつつ、青に変わると同時に急ぎ足で歩きだした。正面から押し寄せるインベーダーゲームの、エイリアンの様な人込みを交わしつつ、彼女の背中を追った。