ふたつ並んだブランコの真ん中にロープをかけて、虚無への入り口である輪を宙にたらした。 深呼吸をしてロープに手をかけたユミは、不意に後ろからかけられた声にドキリとした。 「お姉ちゃん、なにをしているの」 振り返ると、まだ幼い男の子がユミを見上げている。