『久しぶり』

誰もがそんな事を言っている。
教室は久しぶりに会うひとばっかり。
そしてみんな真っ黒。



「ひさしぶり」

「ひさしぶり」


今日は夏休み中にある登校日で、全校生徒が今日来ている。
今日の登校日には、夏休みが明けてすぐにある文化祭の出し物を決めるのだ。
夏休みが終わると、もぅ材料の調達・作成、テストを開始する。
そして文化祭が一安心したらすぐに定期テスト。
その後には体育祭。
って2学期はかなりのハードスケジュール。

で、今日はそんなハードな日々を始めるまでの序盤。
ここが大事だって先生が言っていた。
ここで手のかかる物をすると勉強は出来ないし、それに完成までにかなりの時間がかかる。
と言って手抜きだと思い出に残らない全く面白くない文化祭になってしまう。






「で、何かやりたい事はありますか?」


実は評議委員でこのクラスの級長をしている由羅と綾香。
この2人は“考えたら即実行”タイプだし仕切るのが上手い2人だからあたしも納得している。

って言ってもクラスのみんなは何も言わない。
言ったとしても夏休み中の自慢話や昨日のドラマの話のみ。
先生はいなくて、由羅と綾香はそのまま放置。


で、話をする内容も尽きたのか除々に話をする声も少なくなってきた。







「で、何かやりたい事はありますか?」


約1時間半前に訊いた事を々言葉で訊いた綾香。
そんな綾香の言葉に、クラスのみんなは初めて聞いたことのように考え始めた。

でも、何も言わない。