少女は少し、ふくれっ面で言う。



「え〜、これただの水とサンドイッチにしか見えないよぉ?」



「姫様、違うのです。ここは"世界で一番美しい場所"です。

ここに水を持ってくると、世界で一番おいしい飲み物に変わってしまうのです。」


少女の父親はこれは大変な秘密のことのように話した。


「わぁ!!ホント?」



「あぁホントさぁ〜!


まだ誰も知らないんだ。

パパもこの前発見してびっくりしたんだよ。

これはヒミツだよ姫様。」



「うん!あたし秘密にする」



少女は水を飲む。



「あれぇ〜・・・・・・いつもの水と変わんないよ」


「あっ、忘れてた!


パパはうっかりしてたよ!

水は・・・・・水筒に入ったままだったろ?

あ〜失敗した〜・・・・・」


「なにが失敗なのぉ・・・・パパ?」


少女の父親は微笑むと言った。



「だけど、平気さっ。ほぅら!」

少女の父は水筒の蓋を開けると空にかざした。


「ほーれ、世界で一番の水になーれ!姫様も空にお祈りして!世界で一番のぉ・・・・・・・」


「うん!世界で一番の水にな〜れぇ♪」


少女は空に、向かって声高く叫んだ。