どの妃も愛さない東宮様にも、ただ一人心からご寵愛あそばす方がいらっしゃいました。 東宮様が十五歳の時に生まれた、若宮です。 その若宮の母君は中納言の娘で更衣だったため、ご身分としてはイマイチなのですが、東宮様は惜しみない愛情を注いでいらっしゃいました。 その更衣は出産の際に命を落としたということですが、特別愛情を持っていらっしゃるという訳ではなかったようだとの話を聞きました。