父上は、若宮を抱いた乳母殿の後を追って部屋を出ていきました。 母上は、そんな父上を笑いながら、休もうとする私のために周りの環境を整えてくれています。 妹は、潤んだ優しい目で私を見守っていました。 ―考えも及ばなかった帝とのご縁だけれど、こんな可愛い御子に恵まれ、帝も心からお慕いしている。 私は…なんて幸せ者なのかしら…。 家族を眺めながら、満たされた幸せな気持ちで、帝の事を想いながら目を閉じました。 ―左大臣家大君―