逃げ帰りたい気持ちでいると、車がお屋敷につけられて止まりました。 どうしようかと外に目をやると、大臣が中から出ていらっしゃいました。 私の屋敷に忍んでいらっしゃる時の目立たない狩衣ではなく、貴族の平常服である直衣をお召しのお姿は、堂々としてご立派で、眩しい程です。 その素晴らしい方がこちらにいらして、車の御簾をめくって上体を乗り入れていらっしゃいました。