その人は、右大臣の一人娘。

生まれながらに入内の決まっている身分の人だ。

そんな女に惹かれるような私では無かった。

不毛な恋に身を落とすなんて馬鹿げている。

なのに…

見てしまったのだ、その人の姿を。

天女かと見紛うような、美しい姿を…。