そしてその翌年、若君が十二歳で元服なさいました。 同年、女二の宮も裳着をなさり、若君に降嫁あそばしたのです。 この事は殿と皇后様の画策でした。 正式には結ばれ得なかった自分たちの代わりに、自分たちの子を結婚させようというのです。 この事に宮様が気づかない筈も無いのに、若君を大切に育てていらした宮様の御心情を随分と無視した行動でございます。 宮様は何も仰いませんでしたけれど…。 本当に口惜しくて仕方ありません。