その翌年女御様の喪が明けてから、女一の宮の裳着と三の宮の元服の儀がありました。 更衣様も出家の身となられた今、宮様が儀式の支度に手腕をふるわれたのでした。 三の宮は兵部卿宮とおなりあそばし、女一の宮は、すぐに結婚なさる事もなく静かに暮らしていらっしゃいました。 女御様の忘れ形見であるもう一人の姫宮は、明け暮れ女御様を愛しく思って暮らしていらっしゃる院の御許に引き取られておいででした。 その姫宮の袴着の儀も院の御所で執り行われることになり、宮様は初めて院の御所に赴かれたのでした。