宮様も、出家なさろうとしました。 私ももうお止めする気にもなれず、宮様に従って出家する心づもりでおりました。 しかし、殿がそれを止めたのです。 「中君に続いて貴女まで出家するような事になれば、この家がどうなるのか考えなさい。 それにここには、まだ成人していない尊い宮が三人もいる。 母を失った宮達を、貴女まで見捨てるのか。」 そう責められては、宮様も御自分の意思を貫く事などお出来になれませんでした。 孫の宮様達を心から愛おしくお思いになっていらっしゃいましたから…。