師走の二十五日に弘徽殿様が男御子をお生みになったと知らせがあった時、宮様はほっと溜息をついてその場に崩れてしまわれました。 それ程に気を張っていらしたのです。 思い余って、これまで関わり持たれた事の無い弘徽殿様に突然お手紙とお祝いをおあげになった程でした。 先方も驚かれた事と思いますが、極めて丁寧に、礼儀を尽くしたお返しがありました。