御両親様がいらっしゃる訳でもなく帝の御寵愛も確かな筈なのに随分と里がちでいらした麗景殿様は、中宮におなりあそばしてもお変わりありませんでした。
殿も、その度にかいがいしくお訪ねしています。
それは以前と同じ事ですのに、この頃宮様はそれをご不快に思われるようになりました。
もちろんそれをはっきりと仰せになる宮様ではいらっしゃいませんが、殿が中宮様の御所をお訪ねの間、何となく物憂げにふさぎ込んでいらっしゃるのです。
私はそれを、梅壺様に望んでいらした后の御位を奪われてしまわれたからだろうと思っておりました。

