そしてその同じ年、右大臣様が新しく北の方を迎えられたとか騒いでいた頃だったでしょうか。
本当に急に、麗景殿様の立后が決まったのです。
これはさすがの殿も寝耳に水だったようで、大急ぎで麗景殿様の立后のお世話を始めていました。
殿からすれば、政敵右大臣派の弘徽殿様でなく手中の麗景殿様の立后は喜ばしい事でしょうが、宮様の御落胆は並々ではありませんでした。
「本来ならば誰にも引けを取らない女御となって后にもなるべき出自なのに、どうしてこんな憂き目に遭うの。」
お涙を流して、お声も詰まりがちにそうおっしゃいました。

