平安物語=短編集=【完】




その年、帝はお風邪をこじらせて病床に臥していらっしゃいました。

中宮様とうちの女御様とが、代わる代わる御看病に上がっていらしたそうです。

それでも一向に回復しないのを不安に思し召した帝は、急に譲位してしまわれたのでした。

上皇の御病態が少し良くなった時に、女御様も一緒に院の御所にお移りになります。

女御様は二十八歳のお若さで、畏れながらも盛りを過ぎた院の女御となってしまわれたのです。